有線LANはいよいよ2.5Gbpsの時代へ!
2.5GbEカンタン導入術

■ 長かった1GbE時代から2.5GbE時代へ

1Gbps有線LAN、いわゆるギガビットイーサネット(1GbE)は2003年頃から普及が進み、家庭でも企業でも長年その地位は変わりませんでした。それ以前の10BASE-T(10Mbps)、100BASE-TX(100Mbps)から1000BASE-T(1Gbps)と進んできたので、次は10GBASE-T(10Gbps)と思われましたが、1GbEから20年弱の年月が経過した現在も10GbEは広く普及はしていません。
近年、1GbEと10GbEの間を埋める2.5GbEや5GbEが登場、10GbEも含め1GbEより速い仕様は登場してきましたが、なかなか普及価格までは下らず、アーリーアダプター以外はなかなか導入できていないのが現状でした。
一方で、Wi-Fi(無線LAN)が理論上はギガビットを超える速度まで到達し、インターネット回線も1Gbpsを超える2Gbps、5Gbps、10Gbpsなどのサービスが登場、携帯電話回線も5Gなど高速化が進んでいます。
また、パソコン周辺機器のインターフェースも進化し、2000年に登場のUSB 2.0の最大480MbpsはUSB 3.0で最大5Gpbs、USB 3.1 Gen2で最大10Gbps、USB4では最大40Gbpsへと高速化。さらにストレージはハードディスクドライブ(以下HDD)からSSDへ時代が進み、200Mbps程度だった読み書き速度は、M.2のPCIe接続では7000Mbpsにも到達しています。
こうした最近の高速化技術と比較しても、1Gbpsの有線LANはもはや遅い部類になり、徐々に1GbEを使用する有線LAN環境がボトルネックになってきました。
そのような中で、プラネックスから2.5GbEに対応した低価格のスイッチングハブが登場、PCIeに対応したLANアダプターやUSB有線LANアダプターなども含めマルチギガビットLANファミリーが完成しました。
1GbEを超えるマルチギガビット有線LANが、ようやく一般家庭や企業で導入できる価格帯まで下がってきました。有線LANはいよいよ2.5Gbps時代へ向かいます。今回は1Gbpsから2.5Gbpsの有線LAN環境へ移行するにはどうすればよいのか1つ1つ見ていきましょう。

■ デスクトップパソコンを2.5Gbps有線LANに対応させる方法

パソコンにはデスクトップパソコンとノートパソコンの2種類があります。1GbEのデスクトップパソコンの2.5GbE化は、PCIeバス対応のLANアダプターを使用します。
プラネックスは、2.5GBASE-T LANアダプター「GPE-2500T」を発売。PCI Express x 1バス対応なので、PCIe x 1、x 4、x 8、x 16などどのスロットでも装着できます。そのため、たとえPCI Express x 16バスのスロットにグラフィックボードが差さっていても、空いているPCIe x 1スロットに挿して使用できますので、ほとんどのデスクトップパソコンで利用できます。
2.5GBASE-T LANアダプター「GPE-2500T」
「GPE-2500T」をPCIe x 1スロットに挿して使用

■ ノートパソコンを2.5Gbps有線LANに対応させる方法

一方、ノートPCの場合は、USB接続の2.5GBASE-T 有線LANアダプターがあります。プラネックスからは、USB Type-Aに対応した「USB-LAN2500R」と、USB Type-Cに対応した「USBC-LAN2500R」が用意されています。どちらも性能的には同等なので、ノートPCのインターフェースに合わせて選択するといいでしょう。
USB Type-Cに対応した2.5 GBASE-T有線 LANアダプター「USBC-LAN2500R」
USB Type-Aに対応した「USB-LAN2500R」
もちろん、これらUSBタイプの有線LANアダプターはデスクトップパソコンでも利用できます。

■ スイッチングハブも2.5Gbps対応へ

デスクトップパソコン、ノートパソコンの2.5GbE化ができたら、パソコンなど複数の機器を接続してLAN環境を構築する2.5GbE対応スイッチングハブを導入しましょう。
Wi-Fiルーターにも4ポート程度のスイッチングハブが搭載されていて、有線LANで複数の機器を接続してネットワークを構築できますが、一般的なWi-Fiルーターですべてのポートが2.5GbE以上に対応している製品はほとんどありません。そこで必要となるのが2.5GbEに対応したスイッチングハブです。2.5GbE対応のスイッチングハブがあれば、2.5GbEに対応したデスクトップパソコン、ノートパソコン、NASなどを従来の1GbEより高速につなぐことができます。
プラネックスから2.5GBASE-Tを5ポート搭載したスイッチングハブ「FX2G-05EM」を販売しています。コンパクトなサイズながらファンレス仕様で低価格を実現しています。
2.5GBASE-Tを5ポート搭載したスイッチングハブ「FX2G-05EM」

■ LANケーブルは従来のカテゴリー5eがそのまま使える

ちなみに、LANケーブルはこれまで1GbpsのLAN環境であれば、「カテゴリー5e」規格のケーブルを使っているはずなので、2.5GbEならそのまま使えますから特に換える必要はありません。5GbEや10GbEでは、カテゴリー6A以上の規格のケーブルを必用としますが、2.5GbpsのLAN環境構築は、従来のLANケーブルが使えますので導入が容易となります。
LANケーブルに「CAT.5E」などと刻印されていればそのまま使用できます

■ NASも2.5GbEを搭載したモデルが増加中

家庭でも企業でもLANを構築して活用されるのはインターネット回線とファイルの共有でしょう。インターネット回線を共有して複数のデバイスがネットにアクセスできるのは当たり前になりました。ファイルの共有はNAS(Network Attached Storage)を導入すると、手軽にLAN内のデバイスからアクセスが可能となります。現在のNASはLAN内だけでなく外出先からもファイルのやり取りができます。
最近のNASは2.5GbEに対応したモデルが続々出てきています。これから導入を検討するのであれば、そういったモデルを選択するべきでしょう。
2.5GbEを搭載したQNAPの2ベイモデル「TS-231P3」
HDDでRAIDを組んだ状態のNASであっても、1GbEの速度が足かせとなっており、十分なファイル転送速度を得られていませんでした。これが2.5GbE環境、2.5GbE対応のNASを利用すればかなり改善されます。
これまで、大容量ファイルの移動にかなり時間がかかると感じていた人なら、かなりストレスを軽減できるはずです。

■ 1GbEと2.5GbEのLAN環境を比較してみました

気になるファイルの転送速度は1GbEと2.5GbEのLAN環境でどのくらい違うのでしょう。実際に約2GBのファイルをコピーしたときの時間を計測してみました。
計測は、スイッチングハブ「FX2G-05EM」にデスクトップマシンとNASを接続。デスクトップマシンにはLANアダプター「GPE-2500T」を差し、NASは2.5GbEを搭載したQNAPの2ベイモデル「TS-231P3-R01」(HDD 1GB×2/RAID 1)を使用しています。
PCとNAS間で、1GbEと2.5GbEで転送時間をストップウォッチで3度計測した平均値
結果は、ご覧のとおりNASからPCへのコピー時、2.5GbEは1GbEの2.5倍の速度が出ています。PCからNASへのコピーが1.33倍程度にとどまったのは、HDDの書き込み速度がボトルネックになったと思われます。NASのCPU処理速度やHDDの速度による差はありますが、NASからファイルを読み出す速度が1GbEの2.5倍になれば、HDD搭載のNASでもかなり快適なファイルアクセスが期待できます。
ストレージのアクセス速度のベンチマークを行う「CrystalDiskMark 8.0.4」で1GbEと2.5GbEを比較してみましょう。1GbEではシーケンシャルリード/ライトとも約118MB/s(=944Mbps)と1GbEの上限で頭打ちとなっています。
2.5GbEではシーケンシャルリードは1GbEの約2.5倍。シーケンシャルライトは約1.37倍となりました。
さらなる高速化を狙って、NASのHDDをSSDに換えて計測してみたところ、読み書きともに1GbEの2.5倍となり、2.5Gbpsの速さを最大限に活かせました。
NASにSSD搭載して計測。読み書きともに1GbEの2.5倍となりました
「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果も、読み書きともに同等の速度になっています
最後にパソコン〜パソコン間の転送速度もチェックしてみました。2.5GbEはGPE-2500Tを搭載したデスクトップパソコンとノートパソコン(VAIO Z)をスイッチングハブ「FX2G-05EM」に接続して計測しています。なお、VAIO ZはUSB Type-C端子のみのため、2.5 GBASE-T有線LANアダプター「USBC-LAN2500R」を使用しました。
PCとPC間を1GbEと2.5GbEで転送時間をストップウォッチで3度計測した平均値
結果は、双方向で1GbEの2.5倍と2.5GbEの転送速度をフルに発揮しました。いずれのパソコンもストレージにNVMe対応のSSDを搭載しているため、ストレージがボトルネックになることはありませんでした。
ファイルコピー中のエクスプローラーの画面
いかがでしょうか。有線LANを1GbEから2.5GbEに移行するだけで、2.5倍のスピードでファイルコピーが完了するのはかなりの効率アップとなります。しかも、導入はとてもカンタンで、2.5GbEに対応したスイッチングハブとパソコンに合ったLANアダプターを揃えるだけ。LANケーブルは従来のものをそのまま流用できます。
有線LANは2.5GbE対応製品が増え価格も下がりました。長かった1GbE時代からいよいよ2.5GbE時代へ移行する時期が来ました。是非この機会に2.5GbE化を検討していただきたいと思います。

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